知っておきたいリフォームの目安！築年数別に解説します

リフォームを計画するタイミングが、故障したタイミング、不具合がとき、家族構成やライフスタイルが大きく変わったときなど「必要に迫られた」時に考える方も多いようです。

とりあえず使えるうちはそのままで・・・と考えていらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか？

設備はもちろん建物にも需要はあります。

まだ使えると思っていても老朽化が進んでいて、突然使えなくなった！ということも少なくありません。

この記事では築年数別にリフォームの検討が推奨されている内容をまとめました。

それぞれの築年数別に考えられるリフォームの規模も合わせてご案内します。

築年数ごとのリフォームの規模を知ることで、より計画的にリフォームを検討されるきっかけになったら嬉しいです。

この記事の監修者

株式会社サクセス代表

岳下斉弘

設計士

詳しいプロフィール

建築設計会社を経営

長崎市を中心にコストパフォーマンスとデザインの両方を重視するお客様に最適な建築デザインを提供しています。手頃な価格で質の高いデザインを実現し、お客様の夢を形にすることに専念しています。

リフォームのタイミング

リフォームが必要なタイミングはライフスタイルや建物の状態・築年数で変わります。

不具合が生じたため又は老朽化によって不便な箇所を修繕するリフォームもあります。

また、暮らしをより快適にする目的や、家自体の性能を向上させるためにリフォームを行うケースもあります。

建物の状態やライフスタイルの変化を見越したリフォームは、充実した住環境に住宅を整えるため大切です。

特に建物の状態は築年数である程度判断されることもあります。

リフォームは適切なタイミングで行うことをおすすめします。

リフォームのタイミングを判断するポイント

リフォームは築年数や部位、目的などによってリフォームの最適なタイミングが変わってきます。

築年数は住宅のリフォーム検討の大きな指針の一つです。

多くの住宅設備は10〜15年で劣化が始まると言われています。

新築住宅の場合築年数と住宅設備の利用年数が同じであるため、築10〜15年で設備交換などのリフォームが必要になる場合があります。

故障する前に寿命が近づいた時点で交換を検討すると、焦らずに住宅設備を選ぶこともできます。

さらに、外壁や屋根は10〜15年ごとのリフォームが望ましいと言われています。

外壁や屋根の塗装の性能の寿命に合わせたリフォーム計画が必要となります。

さらにライフスタイルや家族構成が変わったり、変わる予定を見越したリフォームは特にしっかりとした計画をたてて進めたいリフォームです。

お子様の成長や親の介護、老後のためになどそれぞれの家庭のタイミングでリフォームを判断することも大切です。

適切なタイミングでリフォームをおすすめする理由

リフォームのタイミングが遅れると、以下の問題が発生する可能性があるので注意が必要です。

劣化の進行

外壁や屋根の劣化が進むと、雨漏りやひび割れなどのトラブルが発生し修繕費用が高額になるので特に注意が必要です。

不具合が発生している箇所の劣化を放置すると、住宅全体に深刻なダメージを与えてしまう懸念も生じます。

そのためさらに劣化が進行し、美観が損なわれているだけでなく、住宅全体の機能性が低下する恐れもあります。

結果としてリフォームがさらに大掛かりなものになってしまうこともあります。

使い勝手の悪化

ライフスタイルの変化に合わせてリフォームを行わないと、住まいが使いにくくなることも懸念されます。

子どもの成長や親の介護などの変化に対応していない場合、不具合やスペースが足りない不安だけでなく、住宅内で怪我をしてしまう可能性が生じてしまう恐れもあります。

さらに、古い設備をそのままずっと使い続けることは愛着を持っていいことかもしれません。

しかし、住宅設備は日進月歩で進化しているため、節電性節水性や省エネ性能も向上しています。

時代に合わせた便利な機能も追加されていることも多いためリフォームを行うことで使い勝手の向上だけでなく、光熱費の節約も期待できるのです。

部位別のリフォームのタイミング

家のリフォームは、住み心地を保ち、資産価値を維持するために欠かせないプロセスです。しかし、どのタイミングでどの部分をリフォームすべきか迷うことも多いのではないでしょうか？

築年数に応じて必要となるリフォームの目安を知ることで、計画的にメンテナンスを行い、予期せぬトラブルを避けることができます。どの部分が何年経つとどのようなメンテナンスが必要になるのかを目安を確認し、安心して住み続けられる家づくりの参考にしてください。

キッチン

キッチンの設備は使用状況や手入れによって寿命が異なりますが、交換の目安があります。

キッチンリフォームの判断のポイントは耐用年数に関わらず、使用頻度やお手入れの状況によって変わります。

汚れが落ちにくくなったり、使い勝手が悪くなった場合はリフォームの検討を行うと良いでしょう。

また、設備に不具合を感じたら早めに業者に相談されることをおすすめします。

キッチンリフォームの際には使い方や動線の見直しも行うことで使い勝手をさらに向上させることが可能です。

浴室・洗面所

浴室は高温多湿な環境にあるため、一見綺麗に見えても見えない部分が劣化している可能性が高いです。

ガス給湯器やエコキュート、洗面化粧台も10〜15年で不具合や劣化が目立つようになります。

ガス給湯器やエコキュートは、お湯が出るのに時間がかかり始めたり、温度が不安定になったりした際には不具合を疑いましょう。

洗面所の交換お際には壁紙や床材の張り替え、換気の改善なども検討することで、洗面所の雰囲気が向上し収納スペースが増えることでより便利に洗面所を使うことが可能になります。

トイレ

トイレは衛生面や快適性を維持するためにリフォームが必要な住宅設備です。

しつこい汚れや匂いが取れない場合や内部部品の故障、便器が割れたりしている場合は早急なリフォームが必要になります。

新しいトイレに交換することで衛生面の改善だけでなく、節水効果も期待できます。

内装

内装リフォームは汚れや劣化が気になったタイミングで行うのが理想的です。

内装リフォームは住空間の雰囲気を一新して、より過ごしやすい空間作りをすることが可能です。

屋根・外壁

屋根や外壁は10〜15年にを目安にリフォームを検討することが推奨されています。

外壁素材や屋根材の塗料の寿命と、目地に用いているコーキングの劣化の目安の時期だからです。

劣化を放置すると構造材に水が入り込み、雨漏りの原因となったり、場合によっては躯体がいたむ原因になってしまうこともあります。

その結果、大規模な修繕リフォームが必要となる場合もあります。

参考情報：外壁塗装の耐久年数と相場

目的別のリフォームのタイミング

ライフスタイルの変化や家族構成の変化にともなってリフォームを行う場合も多いです。

快適に暮らすため

自宅を長く快適に暮らせるようにしたいというニーズは少なくありません。

床暖房の設置や、和室から洋室にするリフォーム、オール電化にするリフォームなどが考えられます。

他にもシステムキッチンやユニットバスをより暮らしに合わせたものに検討する場合もあります。

家の快適性を求めるリフォームは、10年後や20年後も見据えて計画されることが多いです。

老後に備えたリフォーム

老後に備えてバリアフリーを検討したり、オール電化を検討される方も多いです。

将来のために、事故を防止したり家族の介護負担を軽減する目的で検討される方が多いです。

手すりの設置や段差解消の他にも、断熱性能の向上や床暖房の設置なども検討されます。

高齢になってからのリフォームは負担がかかり、時間もかかることも増えることから気力や体力があるうちに行う方が多いことも特徴です。

お子様が独立されたタイミングで計画される方が多いです。

子供の成長に備えるリフォーム

お子様が生まれるタイミングや成長に合わせて検討されるリフォームです。

小さい頃は目を配れる動線とオープンスペースでの空間づくりを行い、思春期になるころには部屋を分けるなどのレイアウト変更を行うこともあります。

家族の人数変化によるリフォーム

お子様の独立など一緒に暮らす家族の人数が減った場合のリフォームは、空間を有効活用するために検討されることが多いです。

使わなくなった部屋の撤去や、2階建を平屋にする減築リフォームもあります。

大掛かりなリフォーム工事にはなりますが、床面積を減らし空間を縮小することで維持管理や水道光熱費を減らせることも期待できます。

築年数から検討するリフォームのタイミング

リフォームを検討するタイミングの1つの基準が築年数です。

不具合や故障が発生するたびにリフォームを行うのは、不具合箇所のみの修繕で済むから効率的だと考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、何度も計画し見積もりを確認し工事を行うことになるため労力も効率もかかってしまうこともあります。

そこでおすすめしたいのが「築年数から考えるリフォームのタイミング」です。

築年数を一つの目安として気になる部分や不安がある部分を計画的にリフォームすることで、より効果的なリフォームを行うことができるでしょう。

築5〜10年

築5〜10年の住宅はまだ比較的新しく、目立った劣化は少ないですが、少しずつ老朽化が進行しています。以下に、必要なリフォームとメンテナンスのポイントをまとめました。

内装や外壁のメンテナンス

• 内装: 破損や汚れが目立つ場合は、壁紙やクロスの張り替えを検討します。和室がある場合、畳の交換も考慮しましょう。
• 外壁: 塗料の耐用年数により、塗装の機能が衰えてくることがあります。外壁の塗り替えを検討します。

設備関係のメンテナンス

水回りの可動部分や機械設備は耐用年数が短いものが多いため、不具合があれば修理や交換を検討します。

シロアリ防除の再処理

木造住宅の場合、シロアリ防除の効果は5〜8年程度です。築5〜10年のタイミングで再処理が必要になる可能性があります。

参考記事：〜シロアリバスターズ〜シロアリ防除の効果が切れるのは5〜8年！

シロアリ駆除のおすすめは5年に1回

長崎県の場合、シロアリ駆除は平均して10万円〜施工することが可能です。シロアリは、建物の耐久性と価値を下げるだけではなく、修繕費用が大きく掛かるため、できる限り駆除をプロに依頼した方がコストがかかりません。

築10〜15年

築10〜15年の住宅は、特に水回り設備の劣化が目立ち始めます。

さらに外壁や屋根も不具合やいたみが目立ち始める時期でもあります。

水回り設備のリフォーム

キッチン・浴室・洗面台・トイレのリフォームの検討が必要になる時期です。

水回りは使用頻度が高く、湿気にさらされるため、最も劣化しやすい部分です。

不具合が出始めたら修理や交換を検討します。

また、周辺の壁紙やクッションフロアなどの内装も同時に張り替えると効率的です。

さらに同時にリフォームすることで手間が省け、費用も抑えられます。

調理家電・給湯設備のリフォーム

ガスコンロ・IHクッキングヒーター・ガス給湯器・エコキュートの検討が必要にある時期です。

これらの設備は、10〜15年で寿命を迎えることが多いです。

給湯器はメーカーが表示する耐用年数が10年を目安に設計されていることが多いです。

水回りと一緒に修繕を行うことで、効率よくリフォームできます。

外壁・屋根・雨どいのリフォーム

外壁・屋根・雨どいの点検・リフォームを検討する必要がある時期です。

雨風にさらされる外壁や屋根は、10年ほどで塗装が劣化し始めます。割

れや錆が発生すると劣化が加速するため、早めの対処が必要です。雨どいも亀裂が発生したら交換が必要です。

屋根・外壁・雨どいをまとめてリフォームすることで、足場設置費用を抑えられます。

築15〜20年

築15〜20年経過すると、見えない部分や主要な設備に劣化が見られるようになります。

住宅の劣化も懸念される時期でもあります。

そのため、リフォームを検討するしないに関わらず専門業者による点検をお願いすることをおすすめする時期でもあります。

給排水管や基礎部分のリフォーム

給排水管・基礎部分は見えない部分ですが、家の重要な構造部分であり、劣化が進むと大規模な修繕が必要です。

特に木造住宅では、シロアリ被害も懸念されます。

シロアリ防除を再度検討することもおすすめします。

水回り設備のリフォーム

システムキッチン・ユニットバスなどの主要な水回り設備が劣化してくる時期です。

全体を新しいものに交換するため、大がかりなリフォームになります。

さらに15年以上経過した住宅設備よりも省エネ製や節水機能の向上もはかられているため、光熱費の削減も期待できます。同時にキッチン周りやバス周辺の内装の張り替えを検討してみることもおすすめです。

屋根・外壁のリフォーム

屋根・外壁の水シートや外壁の防水シートの寿命が近づいています。

防水シートが劣化すると雨漏りが発生しやすくなります。

防水シートの交換時に外側の屋根材やサイディングボードを撤去し、下地材の状態も確認してもらうと安心です。

屋根や外壁は住宅の中でも屋外環境にさらされ続けているため、劣化が激しい部分でもあります。

家を長持ちさせたいと思っている方には特にリフォームの検討をお勧めします。

築20〜30年

増改築レベルの大規模なリフォームを検討するタイミングとなります。

現在の日本では住宅の耐用年数は30年程度と言われています。

そのため、躯体や構造の確認点検も行うことをおすすめします。

また、築20〜30年ほど経つとライフスタイルや家族構成が変わっていることも多いです。

将来に備えたリフォームを検討しましょう。

ここまでで点検・リフォームを行ってきた方も、再度リフォームを見直す時期でもあります。

特に外壁・屋根・シロアリは再度リフォームすることを検討してみましょう。

リフォーム会社の選び方のポイント

適切な業者を選ぶことは、満足のいくリフォームを実現するために不可欠です。

また、築年数を検討しながらの住宅リフォームは信頼できる業者を見つけて、長く良い関係性を築いていくことが安心です。

住宅はリフォームを行いながら長く過ごせるように整えていくことで、より良い住環境に暮らし続けることができます。

その最初の一歩が信頼できるリフォーム業者を選ぶことです。

実績と評判

長年の経験と豊富な実績がある業者は、多様なニーズに対応できる可能性が高いです。

過去のリフォーム事例を確認し、特に水まわりリフォームの経験があるかどうかも大切なポイントです。

また、Googleマップや近所の評判などを確認してみることもおすすめです。

顧客の満足度を確認することで、その業者の仕事がわかる場合もあります。

提案力とコミュニケーション能力

打ち合わせでの提案内容をチェックし、その業者がお客様のニーズをどれだけ理解し、具体的かつ創造的な提案ができるかも大切なポイントです。

特にリフォームは自分たちの理想やイメージがあっても、既存建物の造りによっては不可能な場合もあります、

そのような場合に、プロの提案をしてくれるとスムーズに且つ納得した工事を頼むことができるでしょう。

また、コミュニケーションがとりやすいかどうかも大切です。

工事中も含めてスムーズなコミュニケーションが取れるかどうかは重要です。

相談しやすく、質問に対して明確に答えてくれる業者を選びましょう。

見積もりの透明性

工事費用の内訳が明確で、追加費用が発生しないように事前にしっかりと説明してくれる業者を選びます。

複数の業者から見積もりを取り、内容と価格を比較しましょう。

最安値の業者を選ぶのではなく、コストとサービスのバランスを考慮して選択することをお勧めします。

保証とアフターメンテナンス

リフォーム後のトラブルに対応するため、保証期間やアフターサービスの内容を確認します。

長期保証を提供している業者は、その後の安心につながります。

また、定期的なメンテナンスや修理サービスを提供しているかも重要なポイントです。

許可証・資格を保有している会社かどうか

リフォーム会社を選ぶ際には、その会社が適切な許可証や資格を持っているかどうかを確認することも大切です。

建設業許可証や建築士が在籍しているかどうかは、リフォーム業者が法律や規制を遵守していることの証明にもなります。

また、適切な知識を技術を有していることにも繋がるため、より安心してお願いすることができます。

また、リフォーム費用が500万円以上になる場合には建設業務許可証が必要となります。

建設業務許可証がない業者が500万円以上のリフォームを行うのは違法となります。

参考｜国土交通省 軽微な工事（リフォーム工事等）に関する対応の検討

リフォームのタイミングのまとめ

いかがでしたか？

リフォームのタイミングはそれぞれです。

目的や設備に合わせるリフォームも多いですが、築年数を目安にして、不具合が出る前に余裕を持ったリフォーム計画を立ててみることがおすすめです。

リフォームは点検のきっかけにもなります。

愛着のある我が家を丁寧に大切にリフォームしながら、暮らしてみませんか？

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