長崎県は美しい自然と温暖な気候に恵まれています。
海に囲まれ景色も美しく、歴史的な街並みも魅力的な地域です。
一方、全国的に見ても雨が多い地域としても有名です。
梅雨や台風の季節になると大雨になることも近年増えており、雨漏りのご相談も増えています。
雨漏りは放っておくと家の寿命にも影響を与えてしまします。そのため、早めの対策が必要です。
この記事では長崎県の気候の特徴をはじめ、雨漏りについての基本的な説明をわかりやすく解説しています。
雨漏りのことを知り、住宅を長く心地よく保つきっかけになれたら嬉しいです。
株式会社サクセス代表
岳下斉弘
設計士
長崎市を中心にコストパフォーマンスとデザインの両方を重視するお客様に最適な建築デザインを提供しています。手頃な価格で質の高いデザインを実現し、お客様の夢を形にすることに専念しています。
「長崎は今日も雨だった」など、長崎県の雨の情景の歌は数多くあります。
長崎の雨は情緒的で、街並みとも相まって歌われることが多いのではないでしょうか。
長崎県は温暖で過ごしやすい気候が魅力的な地域です。
一方で、雨の歌が多いことでもわかるように、雨が多い地域としても知られています。
近年の気候変動により雨はや台風も増加している傾向にあり、雨漏りの心配が頭をよぎることも少なくありません。
長崎県は雨が多い? 多雨地域としての特徴
長崎県は九州の北西端に位置し、温暖で季節の変わり目の気温差が少ない地域です。
東シナ海からの暖かい海流(対馬海流)の影響を強く受けているためです。
特に梅雨(6月~7月)から夏(7月~9月)にかけては、湿気が多く、非常にじめじめした気候になります。
この時期、長崎県では年間降水量の約30%もの雨が降ります。
さらに、冬から春にかけては「あびき」という潮位変動が発生することがあり、海面が1メートル前後上下します。
長崎県の平均降水量
長崎県の年間平均降水量は約1,857ミリメートルです。
これは、日本全国の平均降水量を上回る数字です。
特に山岳部(雲仙や多良岳、国見岳など)では年間降水量が約2,600ミリメートルに達し、対馬や五島列島でも約2,250ミリメートルの降水があります。
このことからも、全国的にみて長崎県が雨が多い県だということがわかります。
年間降水量の比較
地域 | 年間降水量(ミリメートル) |
---|---|
山岳部 | 約2,600 |
対馬・五島 | 約2,250 |
長崎市 | 約1,800 |
※全国平均降水量は約1,611ミリメートルです。
雨漏りのリスクと気候の関係
長崎県は温暖で湿度が高いことが特徴です。
さらに年間雨量も全国的に多く、とくに梅雨や台風の季節には通年よりも多い雨が降り、住宅の屋根や外壁に負担がかかります。
その結果雨漏りのリスクが高まると言われています。
特に最近の気候変動の影響で、線状降水帯(特定の地域で長時間にわたって激しい雨が降る現象)や集中豪雨が増加し、雨漏りの発生頻度も上がっています。
気候変動と雨漏りの増加
近年はニュースなどでも多く取り沙汰されているように、気候変動が著しくなっています。
この気候変動により、激しい雨が降る頻度が増えていまると言われています。
特に長崎県では、強い雨が長時間降り続くことが多くなっているようです。
強い雨が長時間降り注ぐことにより住宅の防水機能が損なわれ、雨水が建物内部に浸入することがあります。
雨水が建物内部に侵入し、結果雨漏りという形で屋内にも侵入してくるようになるのです。
こうした状況を防ぐためには、定期的なメンテナンスが重要だと言われています。
梅雨や台風の季節の事前確認の重要性
梅雨や雨、また集中豪雨のシーズン前後の住宅の状態の確認はとても大切です。
特に長崎県のようにもともとの雨量が多く、さらに雨量も雨風の勢いも増している地域では早めのメンテナンスと点検が、雨漏り対策として有効に働きます。
雨漏りの原因はパッと見ただけではわかりません。
雨漏り診断士をはじめとする専門業者による雨漏り診断は効率的かつ的確に雨漏りの状況を知るきっかけとなるでしょう。
その際に万が一、雨漏りサインが見られた場合は必要な修繕を受けると良いでしょう。
雨量が年間を通じて増える季節の前に修繕をしておくことで、大きな被害を未然に防ぐ一助となるはずです。
また、不安がある場合はシーズン後にも不具合が生じていないか確認するのもおすすめです。
雨漏りは住宅の躯体部に影響を与えたり、室内にまで影響が及ぶ現象です。
そのため、雨漏りは早急な対策が必要になります。
雨漏りの状態をそのままにしている中で大雨や台風に見舞われた場合、多くの雨水が住宅の構造部にまで侵入してしまうことがあるためです。
雨漏りは早めに気づくことがとても大切です。
ここでは、日常生活で感じられる雨漏りのサインについて解説します。
ぜひ参考にして、ご自分の家の状態をチェックしてみてくださいね。
雨漏りのサインとは
次のような現象を見たり感じたりした場合、雨漏りの危険性があります。
- シミやカビを見つけた
- クロスの浮きや剥がれを見つけた
- 屋内にいるのに、いつもと違った嫌なジメジメした感触がする
- カビ臭い匂いがする
シミやカビ
雨漏りが起こったと気づくサインで最も多いのが壁や天井のシミやカビだと言われています。
雨水が建物内部に侵入し、屋内の見える場所に達するためにシミのように見えることがあります。
さらに到達した雨水の影響によって壁紙や塗装が変色してしまいます。
ずっと湿った状態が続きカビが発生する要因となることもあります。
カビは湿度の高い環境では急速に広がります。
カビの発生は健康にも悪影響を及ぼしてしまうこともあります。
カビやシミを見つけた際には雨漏りの危険性を疑ってみましょう。
クロスの浮きや剥がれ
壁紙(クロス)が浮いたり剥がれたりするのも雨漏りのサインの一つです。
建物内部を伝ってきた雨水や、雨水の侵入により生じた湿気が壁材に影響を与えます。
その結果、クロスの接着剤が劣化し、壁紙が剥がれてしまうのです。
クロスの浮きや剥がれで特に注意したい箇所は壁の角や窓枠周辺です。
この箇所でクロスの浮きや剥がれを見つけた場合は、特に雨漏りの可能性が高いと考えられれます。
ジメジメした感触
気候や雨、海風とはまた違った感じのジメジメ感にも注意が必要です。
雨漏りの原因となる雨水の建物内部への侵入は、常に濡れている状態も作り出すことがあります。
そのため、湿度が高い状態が続きやすくなります。
その影響が部屋の空気の質を悪化させ、場合によってはカビやダニの繁殖を誘発してしまうのです。
嫌なジメジメ感を感じた場合は、健康への懸念も考えられます。
プロによる雨漏り診断をして、早急に対処することが必要と言えます。
カビ臭い匂い
部屋にカビ臭い匂いがするのも、雨漏りのサインの一つです。
カビが発生すると、不快な臭いが放出されます。
この臭いは、カビが放出する揮発性有機化合物(VOC)によるもので、カビの種類や繁殖している場所、湿度などによって異なる特徴があります。
一般的なカビの臭いは、土の匂いや腐った木材のような臭いがします。
カビ臭は室内環境の悪化を示しており、住む人の健康にも悪影響を与える可能性があります。
特に湿気が高い場所では、カビが急速に繁殖しやすくなります。
雨漏りを放置するとどうなる?
雨漏りは室内で確認できるサインを見つけた時にはすでに建物内部に雨水が入り込み、室内まで浸透している状況になっていると考えられます。
そのため、雨漏りを放置すると多くの危険性が生じます。
ここでは特に気をつけていただきたい雨漏りを放置する危険性を4点お伝えします。
影響 | 結果 |
---|---|
躯体の劣化 | 建物の耐久性低下 |
シロアリの発生 | 木材の食害、修繕費増加 |
室内環境の悪化 | 健康被害、家具・家電の損傷 |
経済的負担の増加 | 大規模修繕が必要 |
躯体の劣化が進む
雨水が建物の構造部分(躯体)に浸透することは、建物の構造にとっても危険なことです。
雨水が侵入し浸透することで、木材や鉄骨の腐食を促す可能性が高いです。
その結果、建物の耐久性が著しく低下する危険性を帯びているのです。
特に木材は水分を吸収しやすく、多くの場合防腐処理が施されています。
しかし、雨水の侵入により木材へ浸透してしまうと、腐朽菌が繁殖しやすくなります。
その結果、放置しておくと深刻な建物の構造的な損傷につながる場合もあるのです。
シロアリの発生の危険性
湿った木材はシロアリの格好の住処です。
シロアリは他室の環境を好み、繁殖する危険性をはらんでいます。
シロアリの発生は建物にとっては深刻な問題です。
シロアリが発生すると、建物の木材を食害し、短期間で大きなダメージを与えることが多いです。
シロアリ被害は目に見えにくく、気付いた時には修繕費用が大きく膨らんでいることも少なくありません。
室内環境への悪影響
雨漏りを放置することで室内の、特に空気の環境が悪化します。
建物内部に侵入した雨水によりカビが繁殖しやすくなるためです。
カビの空気環境はアレルギーや喘息などの健康リスクを誘発する危険性も含んでいるため非常に危険と言えます。
また、湿気による家具や家電製品へのダメージも雨漏りの被害として報告されることが多いです。
雨水の侵入は躯体部分だけなく住環境にも大きな影響を及ぼす可能性が高いのです。
経済的な負担の増加
雨漏りを放置するとこれらの状況が悪化する可能性が高まります。
修繕品が大幅に増加し、場合によっては構造部分のリフォームから必要にあることもあるのです。
建物の損傷が広がると修繕金額が高額になるケースもあります。
雨漏りの予兆を感じたら、早めに点検を依頼しましょう。
適切な対策を講じることで経済的な負担を減らすことにも繋がります。
雨漏りのサインに気がついたら、どこから水が入り込んでいるのかを確認する必要があります。
雨漏りの発生箇所を把握することで迅速な処置ができます。
また、場合によっては雨漏りの場所がわかっていれば応急処置をすることもできます。
ここではご自分で確認できる雨漏りの確認方法から、業者による雨漏りの確認方法まで詳しく解説します。
雨漏り箇所の早期発見の参考にしてみてください。
自分でできる雨漏りの確認方法
専門業者に頼むことが良いとわかっているけれど、来てもらうまでどこから雨水が入ってるのか不安・・・
そう思い、雨漏りのサインが出た時に場所を確認しておきたいと思う方もいらっしゃると思います。
また、雨漏りの箇所を推測しておくことで専門業者に話す際にもスムーズに行く場合もあります。
雨漏りのサインを発見したら、写真を撮っておくことに合わせて次のような確認もご自分で行うことは可能です。
室内
シミやカビを見つけた場合は他の部屋も確認しましょう。
クロスの浮きや剥がれも同様です。
雨漏りの兆候を確認したらその部屋以外にも被害が広がっていないのかを確認し業者に伝えることも大切です。
また、天井裏を見ることができる場合は、濡れたシミやカビなどが発生していないかを確認してみてもいいですね。
天井裏を見た時に光が漏れている箇所があれば、そこが雨漏りの原因となっている可能性も高いと思われます。
室外
チェック箇所 | 確認内容 |
---|---|
屋根 | 屋根材のひび割れ・欠け 板金の浮き 雨樋の状態 |
外壁 | ひび割れ チョーキング現象 塗装の剥がれ |
シーリング | ひび割れ・隙間 |
サッシ | サッシ周辺の外壁・シーリングの状態 |
ベランダ | 防水層のひび割れや剥がれ |
屋根
地上から双眼鏡などで屋根の状態を確認しましょう。屋根に登ることはとても危険なので専門業者に任せてください。
屋根材にひび割れや欠けがある場合は、そこから雨が侵入している可能性があります。
屋根の頂上や縁をカバーしている板金が浮いている場合も雨漏りの原因となっている場合があります。
また、雨樋が壊れていたり詰まっていたりしている場合も、正常に雨水が排水されず、雨漏りの原因となります。
外壁
外壁にひび割れがある場合は要注意です。
外壁を触って粉のようなものがつく場合は、チョーキング現象と呼ばれるもので、塗装が劣化している兆候です。
塗装の劣化も雨漏りにつながることが多いです。
ひび割れやチョーキング現象を見つけたら業者に点検をお願いすると良いでしょう。
シーリング
サイディングの隙間や窓サッシなどの周りに充填されているシーリング(防水材)にひび割れや隙間がないか確認しましょう。
シーリングの劣化は雨水が躯体部に侵入する原因ともなります。
窓サッシ
周辺のシーリングの割れの他にも、外壁のひび割れや変色がないのかを確認してください。
窓サッシの周辺の外壁の異常を発見したら業者に確認してもらうとよいでしょう。
ベランダ
ベランダは防水層が施されていることが多いです。
ベランダの防水層は劣化すると雨漏りの原因となります。
防水層にひび割れや防水シートが剥がれている場合は、専門的な修理が必要となります。
業者が行う雨漏りの確認方法
雨漏り調査は専門業者に依頼することがおすすめです。
経験値と専門技術によって雨漏りの箇所を特定し、的確な処置を提案してくれるためです。
雨漏りは目に見えない部分も多く間違った箇所に処置をしても防ぎ切ることはできません。
住宅を守るためにも、的確な場所の特定と処置が大切です。
ここでは専門業者による雨漏りの確認方法の一般的な方法をお伝えします。
調査方法 | 説明 |
---|---|
目視調査 | 目で見て建物の異常を確認する基本的な方法 |
散水調査 | 水をかけて雨漏りを再現し、浸入箇所を特定 |
赤外線サーモグラフィ調査 | 温度差を利用して雨漏り箇所を視覚化 |
紫外線投射発光調査 | 発光液を使用し、雨水の経路を確認 |
ファイバースコープカメラ調査 | 狭い隙間や天井裏をカメラで詳細に調査 |
目視調査
業者はまず、目視による調査を行います。
建物の内外を丁寧に確認し、雨漏りの原因となりうる箇所を探します。
目視調査では、屋根のひび割れ、外壁の劣化、シーリングの亀裂などがチェック項目となります。
最も基本的な調査方法ですが、経験豊富なプロが行うことで、見逃しがちな小さな異常も見つけることができます。
外壁のサインを発見した際の写真等があれば調査の参考になる場合もあります。
業者に依頼する際に参考にしてもらってみるのも良いですね。
散水調査
散水調査は、雨漏りが疑われる箇所を中心ににホースで水をかけて雨漏りを再現する方法です。
雨の状態を再現し確認することで、どこから水が浸入しているのかを特定します。
散水調査は基本的な雨漏りの調査方法の一つです。
赤外線サーモグラフィ調査
赤外線サーモグラフィ調査は、特殊な機器を用いて温度差を利用して雨漏り箇所を特定する方法です。
水が浸入している部分は温度が異なります。
その特性を活かしてサーモグラフィで雨漏りの箇所を特定します。この方法は、目に見えない内部の雨漏り箇所を特定するのに優れています。
紫外線投射発光調査(発光液調査)
発光液を使用する調査方法です。
発光液は紫外線を当てることで光ります。
その特性を活かして、雨水の浸入経路を視覚的に確認する方法です。
特に複数箇所から雨漏りが発生していることが疑われる場合に有効です。
ファイバースコープカメラ調査
ファイバースコープカメラを使用して、狭い隙間や天井裏など、目視では確認しづらい場所を調査する方法です。
カメラを使用することで、建物の内部の状態を詳しく確認でき、より正確な診断が可能です。
躯体の確認がしづらい場合や、雨漏りが進行していて構造部の確認も必要な場合に用いられることがある調査方法です。
雨漏り箇所は主に屋根部分かそれ以外の部分が原因となります。
特に屋根は家全体を雨風から守っている部分です。
雨漏りの原因箇所の特定の目視確認もしづらく、工事も大掛かりになることもあります。
屋根に登っての目視や確認は専門業者にお願いすることがおすすめです。
また、近年は屋根の修繕工事の訪問販売についても消費者庁から注意勧告が出ています。
雨漏り工事の種類(屋根部分)について知り、適切な工事計画を検討するきっかけになれば嬉しいです。
屋根の部分修理
屋根の部分修理は、雨漏りの原因となる箇所が特定され躯体部に影響が及んでいない場合に適用されることが多い修繕方法です。
大規模な工事が必要ないため比較的低コストで行うことが可能です。
屋根部分や周辺の板金なども部分修理に含まれることがあります。
屋根材の一部交換工事
屋根材の一部交換工事は、破損や劣化が見られる部分だけを新しい屋根材に交換する修繕方法です。
例えば、瓦やスレートが割れていたりズレていたりする場合に行います。スレートとは、薄い石板のことです。
また、金属屋根も同様に割れていたりズレていたりする場合にも行います。
費用の目安は大まかな屋根材によって変動します。
修繕範囲によっても異なるので、しっかりとした見積もりを確認すると良いでしょう。
屋根材の種類 | 費用目安 |
---|---|
瓦 | 1~10万円 |
スレート(薄い石板)やシングル | 5~15万円 |
金属屋根(ガルバリウムなど) | 10~45万円 |
コーキング処理
コーキング処理は、屋根材や接合部に防水材を充填し、防水性を高める際に適用される修繕方法です。
コーキング材はゴムのような素材で、雨水の浸入を防ぐ役割を担っています。
コーキング材の充填作業は5〜10万円が相場であることが多いようです。
しかし既存のコーキング材を除去して新しいコーキング材を充填する際には、10〜20万ほどの場合が多いようです。
こちらも状況やコーキングの範囲やメーター数によっても変動します。
しっかりと確認されることをおすすめします。
棟板金の修理
棟板金は屋根の頂上部分の1番高くなっている部分です。
屋根材の接合部を覆っている板金で、最も雨風にさらされることが多いと言われている部分です。
棟板金が浮いたり劣化したりすると、雨水が侵入しやすくなり雨漏りにつながることがあります。
修理費用は部分的な棟板金の交換修理の場合は5〜10万程度、棟板金全体の交換修理だと10〜20万ほどだと言われています。
ただし、修理の範囲や状態によって異なるので注意が必要です。
屋根全体の修理
屋根全体の修理は、広範囲にわたる損傷や劣化が雨漏りの原因となっている場合に行われます。
また、雨水が屋根の構造部にも侵入し構造部の補修が必要な場合にも検討される工事です。
屋根全体に工事が及ぶが目高額になることが多いです。
しかし、屋根全体の耐久性を改善し、向上させることも期待できます。
屋根全体の修繕工事の際には耐震性能も上げる計画も同時に立て、耐震性と耐久性に優れた屋根にリフォームするケースも少なくありません。
葺き替え工法
葺き替え工事とは、既存の屋根材を全て撤去して、新しい屋根材を設置する方法です。
既存の屋根材を撤去した際に躯体部分も補強したり修理が可能になったりと、屋根自体の耐久性も向上させることが期待できる工事です。
さらに防水シートを新しくすることで防水効果の向上も期待できます。
葺き替え工事は屋根材を撤去して新たに施行するため、撤去費用なども含めて考えると工事費用が高額になりがちです。
屋根材の劣化が著しい場合や、損傷が広範囲にわたっている場合に行われることが多いです。
さらに屋根の下地や構造部分に腐食や損傷が見られる場合にも行われます。
葺き替え工事の費用は、使用する屋根材の種類や面積によって大きく異なります。
以下に、一般的な屋根材ごとの費用目安を示します。
屋根材の種類 | 費用目安 |
---|---|
瓦 | 100~200万円 |
スレート(薄い石板) | 60~150万円 |
金属屋根(ガルバリウムなど) | 80~200万円 |
カバー工法
カバー工法とは既存の屋根材の上から新しい屋根材を重ねる方法です。
古い屋根材を取り除く費用や手間を省くことができるので、葺き替え工法と比べると工事費用も安価で工事期間を短縮することが可能です。
しかし、既存の屋根材の下地に損傷や劣化がないことが条件となります。
見た目の美しさも向上し、新たに防水処理も加えるため防水機能の向上も見込めます。
雨漏りの際に下地の損傷が少ない場合にもカバー工法が適用できるケースもあります。
検査を依頼した業者に相談してみても良いですね。
カバー工法の費用は、使用する屋根材の種類や面積によって異なります。
屋根材の種類 | 費用目安 |
---|---|
スレート(薄い石板) | 80~100万円 |
金属屋根(ガルバリウムなど) | 100~120万円 |
カバー工法は軽い屋根材で行われることがほとんどです。
屋根の塗装補修
雨漏りは屋根材の劣化だけではなく、塗装機能の低下によりおこる可能性もあります。
雨漏りの被害が少なく、塗装のし直しで対応できる場合は屋根の塗装補修工事を検討してみても良いでしょう。
特にスレートや金属屋根では塗装は重要とされています。
塗装を新しくすることで、塗膜が新しくなります。
その結果、紫外線や雨水から再び屋根を守ってくれるようになるのです。
塗装補修の費用は、使用する塗料の種類や屋根の面積によって異なりますが、以下が一般的な費用の目安です。
塗料の種類 | 費用目安 |
---|---|
アクリル塗料 | 60万円~80万円 |
ウレタン塗料 | 70万円~100万円 |
シリコン塗料 | 80万円~120万円 |
フッ素塗料 | 100万円~160万円 |
雨漏り工事は屋根が多いと言われています。
しかし、外壁やベランダからの雨漏りも多いのです。
特に外壁やベランダからの雨漏りはすぐに住宅の構造部に雨水が浸透しやすく、躯体部に影響を及ぼす可能性が高いです。
そのため、原因箇所の特定と適切な対策を早めに行う必要があります。
ここでは屋根以外の部分の雨漏り修繕工事の種類について解説します。
雨漏りの原因かも?と疑わしい箇所を見つけた場合は、専門の業者に詳しい調査を依頼して対応してもらうことをおすすめします。
外壁の修理
雨漏りの原因となる箇所として、屋根の次に多いのが壁だと言われています。
外壁は屋根と同様に家の外部を守っている箇所で、常に雨風にさらされている場所でもあります。
張り替え
外壁材の劣化が著しかったり、躯体部に損傷や劣化が見られる場合には外壁の張り替え工事を検討する必要が出てきます。
屋根の葺き替え工法と同様に既存の外壁材を撤去して、下地を整えて新しい外壁材を施行します。
工事費用は高額になる傾向が高い工事ですが、外観の美しさや耐久性・耐候性も同時に向上させることが可能です。
使用する外壁材の種類や建物の大きさによって費用が異なります。
外壁材の種類 | 費用目安 |
---|---|
窯業系サイディング | 160万円~230万円 |
金属系サイディング | 150万円~220万円 |
木材系サイディング | 170万円~240万円 |
樹脂系サイディング | 190万円~250万円 |
タイル | 1㎡あたり13,000~35,000円 |
モルタル外壁(張り替え) | 150万円程度 |
モルタル外壁(塗装) | 70万円~120万円 |
カバー工法
屋根のカバー工法と同様に、躯体部や構造部分に劣化や損傷が著しく見られない場合に用いられることが多い工法です。
既存の壁の上に防水加工を施して、外壁を上から貼り直します。
雨漏りの修繕だけでなく、防水性の向上や断熱性能の向上も期待できます。
ただし、屋根同様に躯体部に異常がない、もしくは少ない場合に限られます。
雨漏りの点検を依頼した業者に相談してみることをおすすめします。
使用する外壁材の種類や建物の大きさによって費用が異なります。
外壁材の種類 | 費用目安 |
---|---|
窯業系サイディング | 110万円~220万円 |
金属系サイディング | 110万円~220万円 |
木材系サイディング | 110万円~220万円 |
樹脂系サイディング | 110万円~220万円 |
タイル | 1㎡あたり13,000~35,000円 |
コーキング打ち直し
コーキング(シーリング材)の寿命は10年程度と言われています。
窓サッシや玄関サッシの周りや、サイディング材の繋ぎ目に打たれているのがコーキングです。
雨が入らないようにするために必要な建築部材ですが、劣化するとコーキングが切れたり、ヒビが入り雨水の侵入の原因となってしまうこともあります。
一戸建て住宅では、コーキングの打ち直しの長さによって変動しますが5〜30万円程度の費用が目安と言われています。
塗装補修
外壁の塗装も経年や環境によって劣化します。
雨漏りのサインの塗装の劣化のような兆候が見られた際には、塗装の保全機能が低下している可能性があります。
外壁の塗装の劣化は、雨水が浸透する一因となったりヒビ割れの原因になることもあります。
塗装補修は雨漏りの被害が少ない時には効果的な手段です。
その際には躯体部や構造部の点検もしっかり行なってもらい、塗装補修で雨漏り防止になるのかもしっかり確認することをおすすすめします。
塗装補修の費用は、使用する塗料の種類や外壁の面積によって異なりますが、以下が一般的な費用の目安です。
塗料の種類 | 費用目安 |
---|---|
アクリル塗料 | 60~100万円 |
ウレタン塗料 | 80~120万円 |
シリコン塗料 | 100~140万円 |
フッ素塗料 | 120~160万円 |
ベランダの修理
ベランダの防水機能の低下による雨漏りも発生しやすい箇所と言われています。
また、ベランダの排水がうまく流れないことでも雨漏りが誘発されるとも考えられます。
ベランダが雨漏りの原因だった場合の雨漏り補修工事は防水の確認が主になることが多いです。
防水機能の確認
ベランダの防水機能を担っている防水層が劣化すると、雨水が建物内部に侵入し雨漏りを引き起こすリスクが高いと考えられます。
そのため、防水シートや防水塗料の塗り替え、防水層の際工事が行われることがあります。
ベランダの広さや使用する防水材の種類によって費用が変わります。
小規模な補修であれば費用は低めですが、大規模な補修や高品質な材料を使用する場合は費用が高くなります。
防水材の種類 | 費用目安 |
---|---|
ウレタン防水 | 3~15万円 |
FRP防水 | 10~25万円 |
ウレタン防水
液体状のウレタン樹脂を塗布する方法で、複雑な形状のベランダにも適しています。弾力性があり、耐久性も高いため、多くの場所で使用されています。
FRP防水
繊維強化プラスチックを使用した防水方法で、強度と耐久性が非常に高いのが特徴です。特に、高負荷がかかる場所に適しています。
防水シートの交換
ベランダの床に敷かれた防水材が劣化してヒビ割れや破損が生じたりして、雨漏りの原因となることがあります。
劣化した防水シートを撤去して新しい防水シートを敷設して防水機能を復活させる雨漏り修繕作業です。
- ベランダの広さや使用する防水シートの種類によって費用が変わります。小さなベランダでのシート交換は比較的安価ですが、大きなベランダや高品質なシートを使用する場合は費用が高くなります。
防水シートの種類 | 費用目安 |
---|---|
PVCシート | 7~20万円 |
ゴムシート | 15~30万円 |
PVCシート: 耐久性が高く、紫外線や薬品にも強いのが特徴です。施工が比較的容易で、コストパフォーマンスに優れています。
ゴムシート: 弾力性があり、耐久性が高いのが特徴です。高品質なゴムシートは長期間の使用に耐え、防水性能も非常に優れています。
雨漏りの修繕工事にはさまざまなものがあります。
どの工事を選ぶのかは、躯体や構造への影響や下地部分の損傷加減にもよって変わってきます。
雨漏りの状況を判断してもらった後に、業者としっかり相談して納得した上で進められることをおすすめします。
雨漏りがあった!!
そんな時には信頼できる雨漏り修繕業者に相談し、適切な雨漏り箇所を特定し、躯体への影響がないかも含めて調査してもらうことをおすすめします。
原因箇所が特定できたら、雨漏りの箇所に合わせた適切な処置が必要になります。
雨漏り修繕工事は近年訪問販売での被害が広がっているため、不安に思っている方もいらっしゃるかもしれません。
屋根業者、雨漏り修繕業者、リフォーム会社など雨漏りに対応してくれる業者は様々です。
ご自分が納得し、信頼できる業者に依頼することが大切です。
ここでは雨漏り修繕工事を依頼する業者選びのポイントをまとめました。
信頼できる業者に出会い、雨漏りの心配なく過ごせますように。
業者の信頼性と評判
雨漏りの修繕工事を依頼する業者を選ぶ際には、その業者の実績と経験に注目してみましょう。
特に防水や雨漏り補修工事の経験が豊富な業者を選んでみてください。
施工実績を確認することは、業者の信頼性を見極める一つの方法です。
また、オンラインのレビューサイトや口コミをチェックし、他の顧客からの評価を確認することも大切です。
業者が建設業許可番号を持っているかどうかも確認しましょう。
これは業者が法律に基づいて適切に運営されている証となります。
また、雨漏りに関しては「雨漏り診断士」という資格もあるようです。
雨漏り診断士は適切な修理方法や知識を有している基準の一つともいえます。
雨漏りは理由が一つとも限らず、適切な判断をしないと家の寿命を短くしてしまうリスクも伴っています。
信頼できる業者を選び、安心して進められると良いですね。
提案力とコミュニケーション
要望や希望を丁寧にヒヤリングしてくれる業者を選ぶことが大切です。
ヒヤリング後に具体的かつ現実な提案をしてくれたらより安心ですね。
不可能なことは不可能と曖昧にせず、時には代替案を提案してくれるとより心強く感じることでしょう。
また、業者とのコミュニケーションがスムーズかどうかも大切なポイントです。
さらに雨漏り調査を依頼した際に、雨漏りの原因や躯体の状況をわかりやすく的確に教えてくれる業者は安心感が高くなります。
不安だったり疑問に思ったことを相談し、わからないまましないことも大切です。
わかりやすい説明をしてくれる雨漏り補修業者に出会うことで、質問しやすくなり、より安心して工事を進めることができることでしょう。
質問や相談に迅速に対応してくれる業者は信頼できるといえます。
専門用語を使わずにわかりやすく説明してくれる業者を選ぶと良いでしょう。
見積もりとアフターフォロー
雨漏りの補修業者を選ぶ際には、明確な見積もりを出してくれるかどうかも確認しましょう。
価格の内訳が明確に示されている見積もりを出してくれる業者は信頼できる業者と言えるでしょう。
また、追加費用が発生する場合の条件や金額を事前に確認しておくことも重要です。
価格だけでなく、品質やサービスも考慮して選ぶことが大切です。
特に雨漏りは被害の程度によって工事内容も金額も大きく変わってきます。
見積もりの透明性が高い業者を選ぶことをおすすめします。
さらに、雨漏り補修の工事の契約を結ぶ前に、契約書の内容をしっかりと確認し、疑問点は事前に解消しておくことをおすすめします。
契約書には、工事の開始日と完了日、工程のスケジュールが明確に示されていることが重要です。
また、工事後の保証期間があるかどうかも確認しましょう。
工事後のメンテナンスやトラブル対応についてのサービス内容も重要です。
アフターフォローがしっかりしている業者を選ぶことで、長期的に安心して雨漏り修繕工事を任せることができます。
いかがでしたか?
長崎県は雨が多く、雨漏りの心配も他の県に比べて多い地域です。
雨漏りの原因にはさまざまなものがあり、適切な状況判断と処置、修繕工事が必要となります。
雨漏りはそのままにしておくと家の寿命を短くしてしまう恐れがあります。
雨漏りのサインを見つけたら、信頼できる業者に状況確認や雨漏り診断をしてもらいましょう。
また、梅雨や台風の前後でのメンテナンスも行うことでより安心できることでしょう。
雨漏りの被害から家を守り、安心して暮らせる住宅が維持できるきっかけは「サインを見逃さないこと」
この記事が雨漏りに対する安心感に少しでも繋がっていたら嬉しいです。
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長崎県長崎市のリフォーム・建設会社
株式会社サクセス
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